マレー語で“森の人”を意味するオラウータン。その名前の通り、一生のほとんどを木の上で過ごす霊長目です。
一千三百万年前に今の人間に分類されるヒトとオラウータンに分岐をしているので、人間にとっては遠い親戚のような存在といってよいでしょう。そんなオラウータン。ある意味非常に人間らしいところがあるのです・・・
オラウータンには、フランジと呼ばれる顔の両側にコブがあるのですが、このフランジ、面白いことに強いオスにしか現れず、フランジのないオスというのは弱いしるしなのです。
このフランジと、アンフランジ(コブが無い者)には、まるで人間社会のような関係性を生じさせています。
フランジのついているもの同士は、いがみ合い、時には殺し合いにまで発展するような関係ですが、一方でアンフランジのオスに対してフランジは優しく、木の上で一緒に食事をしたりするそうです。
まるで上司が部下を飲みに連れて行っているような感じではないですか?
ちなみにこのフランジ、生まれつき強弱があるわけではなく、決闘により勝ったりすると、そこからむくむくと成長していくのだそう。
・・・そんなオラウータンも、同様に人間に対して近いものを感じとったのでしょう。
森で野生のオラウータンに遭遇した人たちの映像です。
1匹の子持ちのオラウータン・・・ジッと人間たちを見ていると思ったら、次の瞬間1人の人間の腕をつかみます。
森の上を縦横無尽にうごくオラウータンの手の力・・・もはやここまでか!と思ったら、なんだか様子が違うようです。
このオラウータン・・・なんとそのまま1人の人間の背中に乗りました。
首でも絞められる?・・・と不安になりますが、やはりなんだか様子が違います。
それはまるで、愛するものを抱きしめるかのように、抱きついているのです。
なんだか永遠の母性のようなものまで感じてしまいます。
こうやってみると、やはり森のヒト。人間とそう変らないものですね。
森のヒト。オラウータン