満月の夜になると、オーストラリア周辺の海では奇跡がおこります。それは、10万匹もの蜘蛛蟹(グレード・スパイダー・クラブ)が一斉に集まるのです。最初は数百匹程度の群れが、集合体となり、海の中で歩くその姿は、まるで軍隊のよう。なぜこのように集まるのかというと、“脱皮”のためだそうです。時間もかかり、脱皮後はやわらかく、外敵から身を守ることができません。だからこそ、集団となり、個を守らずに群れをまもるのです。外敵であるエイが蟹の頭上を舞う姿は、まさに巨大軍艦と歩兵。集団が去ったあとの姿は、死骸と脱皮後の殻でまさに戦場。是非1度はこの目で見てみたい光景です。